近年、漫画やドラマ、ワクチンなど話題になることが多くなった子宮頸がんですが、どのような病気かご存じでしょうか?
子宮頸がんは、妊娠や出産といった女性のライフイベントに大きく関わる病気です。
正しく理解して、予防や早期発見に繋げていきましょう。
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の下側1/3ほどの部分をさす「子宮頸部」に生じるがんです。
はじめのうちは子宮頸部の表面にだけ存在していますが、だんだんと深くまで進行したり、子宮の上部や膣の方へがんが広がったりします。
子宮頸がんの前段階は「子宮頸部異形成」と呼ばれ、軽度・中等度・高度に分けられます。
数か月~2年ほどかけて自然と治ることも多いのですが、高度異形成の場合は30%ほどの方が子宮頸がんへ進展してしまうため、治療をおすすめしています。
日本では、年間約1万人の方が新たに子宮頸がんを発症し、約2800人の方が亡くなっています。
治療をしたとしても、早産を起こしやすくなったり、場合によっては将来的にお子さんを望めなくなってしまったりと、女性の人生に大きく関わるがんです。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの主な原因は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染です。
男女ともに性的な接触で感染し、女性では子宮頸がんのほかに膣がんや外陰がん、男性では中咽頭がんや陰茎がんの原因となることが知られています。
HPVは、100種類以上の型があり、子宮頸がんの発生に関わるのは主に13種類です。
そのうちの「16型」と「18型」の2種類が、約70%を占めています。
HPVの感染自体はよくあることですが、感染が長く続くことでがんが発生する可能性が高くなるので、「感染を予防すること」「早く発見すること」が重要です。
子宮頸がんの症状
子宮頸部異形成および初期の子宮頸がんは、ほとんど自覚症状がありません。
子宮頸がんが進行してくると、以下のような変化が生じます。
- おりものの異常(匂いがきつくなる、量が増えるなど)
- 性行為時の痛みや出血
- 生理以外の時期での不正出血
- 下腹部痛、腰痛
- 足のしびれ
- 血便や血尿、排尿のしにくさ
子宮頸がんが進行すると、子宮や膣へ浸潤するだけでなく、リンパ節・膀胱・直腸・肺・肝臓など、子宮頸部から離れた部位へも転移する可能性があります。
不正出血や下腹部痛といった症状は、「生理不順だから」「生理痛が重いだけ」のように考えて、受診を控えてしまいがちです。
子宮頸がん以外にも、子宮内膜症や卵巣のう腫など、ほかの病気の可能性もあります。
お示ししたような症状が出ている方は、一度医療機関へ相談してみてください。
子宮頸がんの予防と治療
子宮頸がんの予防
子宮頸がんの予防のために、ワクチンの接種、早期発見のために検診が大切です。
子宮頸がんは、約90%がウイルスによるもので、ワクチン接種で予防が可能です。
子宮頸がんを予防するワクチンは「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」と呼ばれ、小学校6年生から高校1年生までの女子が定期接種の対象となっています。
海外では、男子へのHPVワクチン接種がすすんでいる国も多く、世界的にも広く普及しているワクチンです。
ただし、ワクチンを接種していても、子宮頸がんを発症する可能性はゼロではありません。
そのため、20歳以上の女性は、2年に1度の子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
子宮頸部を専用のブラシで軽くこすっておこなう「細胞診検査」は、少し痛みを感じる方もいますが、すぐに終わる簡単な検査です。
ぜひ定期的ながん検診を受けてくださいね。
検診に関してもつくば市の内科B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックにお気軽にご相談ください。
子宮頸部異形成の治療
軽度または中等度の子宮頸部異形成の場合、自然に治癒する可能性もあるため、病気が進行してこないか、慎重な経過観察を行います。
3か月おきなど、定期的に検査をしていきましょう。
中等度異形成が長く続く場合や高度異形成の場合は、「子宮頸部円錐切除術」という手術をおこなうこともあります。
子宮頸部円錐切除術は、子宮の入り口を円錐型に取り除くもので、多くの場合は術後妊娠・出産も可能です。
子宮頸がんの治療
子宮頸がんにまで進展してしまった場合には、進行度合いによって治療法が異なります。
ステージIIBまでの場合
がんが子宮頸部にとどまっているか、子宮に少し広がっている状態までの方は、手術による根治治療が行われます。
子宮や卵巣を残せるかどうかは、がんの浸潤具合などから個別の判断となります。
ステージIII、IVの場合
ステージIII以上の方は、がんが子宮や膣だけでなく、膀胱や直腸、肺、肝臓といった遠くの臓器やリンパ節にまで転移した状態です。
基本的には手術をしても病気の進行を防ぐことはできず、全身への抗がん剤治療や放射線治療をおこなうことになります。
まとめ
子宮頸がんやその前段階である子宮頸部異形成は、その治療によって早産を起こしやすくなる、子どもを望めなくなる可能性があるなど、女性の人生に深くかかわる病気といえます。
初期には症状に乏しいことも多く、定期検診をしていなければ見つけるのが難しい病気です。
一方で、ヒトパピローマウイルスが原因で、ワクチンによって予防することができるというのも特徴です。
ぜひ子宮頸がんには「予防接種」と「定期検診」が大切と覚えておいてください。
また、何か症状がある方、しばらく検診を受けていない方は、つくば市の内科B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックにお気軽にご相談ください。
つくば市の内科 B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックでは、医師をはじめスタッフ全員のチームプレーで、みなさまの健康をお守りいたします。
ちょっとした身体の不調や、受診してよいか悩むような場合でもつくば市の内科、B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックにお気軽にご相談ください。
参考資料
この記事の監修者
小野間 優介(おのま ゆうすけ)
B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック 院長
- 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医取得
- 日本医師会認定産業医
- 茨城県難病指定医
- 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
--プロフィール--
2022年7月に茨城県つくば市にB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックを開業し、
『お身体の不調で困った時にとりあえず相談できるクリニック』
『生活期に改善を目指したリハビリを行えるクリニック』
『Web問診・オンライン予約・オンライン診療などを取り入れ、高齢者だけでなく働く世代もアクセスしやすいクリニック』
この3つの特徴で、皆様の健康を守り、『夢あふれる未来』を創り上げるお手伝いをしていきます。
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