頸椎とは首の骨ことで、頸椎症とは、首の骨や軟骨が変形して、痛みを引き起こす病気です。
首の骨や軟骨は、加齢や長時間同じ姿勢でいることで、変形することがあります。
頸椎症には、痛みがある場所によって、頸椎症性脊髄症と頸椎症性神経根症の2種類があります。
頸椎症の種類
頸椎症性脊髄症
頸椎症性脊髄症では、頸椎の椎間板や靱帯が変性して、骨がとがって脊髄を圧迫します。
脊髄は、脳と身体の神経をつなぐ大切な役割を持っています。
脊髄が圧迫されると、神経の情報伝達が妨げられ、痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れることがあります。
重症化すると、歩行障害や排尿障害、手足の麻痺など、生命に関わる症状が起こることもあります。
この圧迫が神経まで及ぶと、頸椎症性神経根症も同時に発症することがあります。
頸椎症性神経根症
一方、頸椎症性神経根症では、頸椎の変形によって神経根が圧迫されます。
神経根は、脊髄から出た神経の枝分かれ部分で、体の各部位に信号を送る役割を持っています。
神経根が圧迫されると、その神経に対応する部位に痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れることがあります。
例えば、頸椎の下部分が圧迫されると、手首から指先にかけての痛みやしびれが現れます。
特に、同じ姿勢で長時間いることや、スマホやパソコンなどを長時間使うことが原因となり、若い人でも発症することがあります。
2つの違い
上記2つの違いを簡潔に説明すると以下の通りです。
- 頸椎症性脊髄症:脊髄が圧迫され、全身に症状が現れることがある。
- 頸椎症性神経根症:神経根が圧迫され、その神経に対応する部位に症状が現れることが多い。主に片側の腕などに痛みが生じる。
頸椎症は、痛みやしびれ、麻痺などの症状を引き起こすため、早めに医師に相談することが大切です。
また、予防のためには、正しい姿勢を保つことや、適度な運動をすることが大切です。
症状
頸椎症性脊髄症
頸椎症性脊髄症の場合には、以下のような症状が現れます。
- 首の後ろの痛み
- 手足のしびれや感覚異常
- 手先の細かな動きの不自由
- 歩行障害
- 排泄機能の障害
頸椎症性神経根症
頸椎症神経根症では以下のような症状が現れます。
- 左右どちらかの腕~指のしびれ
- 頭痛やめまい
原因
頚椎のクッションの役目をしている椎間板は、加齢とともに、水分が失われて弾力性がなくなり、ひびが入ったり、徐々に潰れたりするなどの変性が起こります。
その変性がきっかけで、椎間板が脊髄や神経を圧迫して症状が現れます。
治療
頸椎症の治療は保存療法と手術療法の2種類があり、基本的には保存療法から行います。
頸椎症性脊髄症は、その進行度や重症度で手術が必要になる場合もありますが、頸椎症性神経根症は保存療法で改善できることがほとんどです。
保存療法
装具療法
症状が軽度であれば、患部を安静にし、首に装着する頸椎カラーなどの装具を使って症状の悪化を防いでいきます。
薬物療法
炎症を抑える消炎鎮痛剤やしびれを改善するビタミンB12、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩剤などのお薬を使用し、痛みを軽減します。
リハビリテーション
以下のように複数のリハビリテーションの手法があり、それらを単独または複数組み合わせて最適なものを実施いたします。
- 運動療法:筋力トレーニングやストレッチを行います。筋力トレーニングにより脊柱起立筋や僧帽筋、三角筋などの首の筋肉を強化します。またストレッチやROMエクササイズでは、首の可動域を広げ、筋肉を柔軟にすることで、痛みやしびれを緩和する効果があります。
- 徒手療法:首の筋肉や筋膜にアプローチすることにより、可動性や姿勢の改善を図ります。
- 温熱療法:血行を促進し筋肉のコリをほぐします。
- 牽引療法:頸椎にかかっている圧力を、引っ張ることで軽減します。
神経根ブロック
頸椎性神経根症に対して用いられる療法で、神経根に注射をするものです。
これにより炎症を抑える効果があります。
手術療法
保存療法では痛みがなくならない場合、また日常生活に支障をきたすほどの症状が出ている場合は、手術による治療が必要になってきます。
手術では脊髄への圧迫を取り除き、不安定な椎間を固定し安定させることを目的に行います。
前方除圧固定術
首の前方から手術を行います。
椎体の骨棘や椎間板を削ることによって神経の圧迫を取り除く手術です。
椎弓形成術
首の後方から手術を行います。
頸椎の後ろの部分である椎弓という部分を開き、脊柱管を広げ、脊髄の圧迫を取り除く手術です。
後方除圧固定術
椎弓形成術と同じく後方からの手術で、椎弓形成術に加えて、椎体をスクリューで固定する手術です。
予防
頸椎症を予防するためには、以下のことに注意していきましょう。
日頃の首への負担や姿勢を見直していくことが必要です。
首を角に曲げたりせず、猫背など頸椎に負担がかかる姿勢も改めていきましょう。
加齢による椎間板の変性は誰にでも起こるものですが、日常生活を過ごす中でリスクを減らしましょう。
正しい姿勢の保持
デスクワークやスマートフォンなどを使用する際には、首を前に出し過ぎないように、正しい姿勢を保ちましょう。
また、長時間同じ姿勢を続けることは避け、30分に1度は体勢を変えてください。
疲れにくくし、集中力を維持するのにも有効です。
適切な枕の使用
首の負担を軽減するために、寝るときには適切な高さの枕を使用しましょう。
枕の高さは、寝る姿勢に合わせて調整することが大切です。
最近では枕を自分の頚椎に合わせて高さ調整してくれるお店も増えているので、そのようなお店を使用するのも有用です。
適度な運動
首を動かすエクササイズやストレッチなどの運動は、首の筋肉を強化し、血流を促進する効果があります。
ただし、激しい運動や無理な姿勢での運動は、むしろ負担をかけることがあるため、症状をお持ちの方や頸椎症が疑わしい方は、専門家から適切な指導を受けて実施することをオススメします。
つくば市の内科、B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックのリハビリテーションでもそのようなセルフケア・セルフトレーニングの指導もしておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
食生活の改善
バランスの良い食生活を心がけ、適切な栄養素を摂取することで、骨や筋肉の健康を維持しましょう。
特に、カルシウムやビタミンDは、骨の健康に重要な栄養素です。
ストレスの管理
意外と見落とされがちなのですが、ストレスがたまると、筋肉が緊張し、首に負担がかかりやすくなります。
ストレスの原因を探り、ストレスを軽減する方法を見つけることで、首の負担を軽減することができます。
ちなみに、うつ病の方のほぼ全員が肩こり持ちだと言われていたります(肩こり持ちがうつ病とはならない点にはご注意ください)。
お気軽にご相談ください
当院でも、頚椎症に関する検査や治療を行っています。
上記のような症状でお悩みやご不安がある場合は、ぜひ当院までご相談ください。
当院では、医師が患者さんの症状に合わせた適切な検査と治療を提供し、リハビリテーションによって、痛みやしびれの軽減、生活機能の回復を目指すことができます。
リハビリテーションは画一的なものではなく、患者さんの症状に合わせた個別のリハビリテーションを行っています。
もし、頚椎症の症状にお悩みの場合は、ぜひ当院にご相談ください。
つくば市の内科、B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックでは、患者さんの症状に合わせた最適な治療法を提供し、健康的な生活をスタッフ一丸となってサポートいたします。
つくば市の内科 B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックでは、医師をはじめスタッフ全員のチームプレーで、みなさまの健康をお守りいたします。
ちょっとした身体の不調や、受診してよいか悩むような場合でもつくば市の内科、B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックにお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
小野間 優介(おのま ゆうすけ)
B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック 院長
- 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医取得
- 日本医師会認定産業医
- 茨城県難病指定医
- 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
--プロフィール--
2022年7月に茨城県つくば市にB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックを開業し、
『お身体の不調で困った時にとりあえず相談できるクリニック』
『生活期に改善を目指したリハビリを行えるクリニック』
『Web問診・オンライン予約・オンライン診療などを取り入れ、高齢者だけでなく働く世代もアクセスしやすいクリニック』
この3つの特徴で、皆様の健康を守り、『夢あふれる未来』を創り上げるお手伝いをしていきます。
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