実は侮れない!腹痛!!
腹痛は非常によく見られる症状で、皆様にもなじみ深い症状だと思います。
原因で最も多いのは急性胃腸炎です。
しかし、胸部疾患、代謝性疾患、精神疾患、皮膚疾患などでも生じる可能性があり、中には緊急を要する場合もあり、注意が必要な症状でもあります!
どんな痛み?痛みもさまざま。
腹痛は大きく「内臓痛」と「体性痛」に分けられます。
内臓痛
「内臓痛」は内臓自体から生じる痛みです。
ぼんやりした不快な痛みや、鈍痛であることが多いです。
しかし、胆石、腸閉塞(イレウス)、尿管結石などでは激しい痛みが起きたり止んだりします。
体性痛
「体性痛」は神経に対する刺激や炎症によって生じる痛みです。
痛みの部位が分かりやすく、持続的で刺すような鋭い痛みであることが多いです。
また、臓器と無関係な場所に痛みが生じる「放散痛(関連痛)」と呼ばれる痛みもあります。
腹痛の原因となる病気には
どのようなものがあるの?
腹痛を引き起こすよくある病気を列挙します。
逆流性食道炎
胸やけ、呑酸、心窩部の腹痛、咳などを伴います。
痛みは夜間~明け方に多くみられます。
急性胃炎
暴飲暴食、ストレスなどが原因で発症し、上腹部痛が主な症状です。
出血を伴う場合は薬剤の副作用による可能性も考慮します。
消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
胃潰瘍は食後の痛みが多く、十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが出ることが多いです。
感染性腸炎
病原微生物(細菌・ウィルス)の感染により、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが起こります。
細菌感染の方が重症となる傾向があります。
過敏性腸症候群
大腸の痙攣により、腹痛や便秘、下痢を繰り返す疾患です。
若年女性に多いとされます。
便秘
腹部の膨満感や不快感のみのタイプと、ズキズキとした痛みを伴うタイプがあります。
胆石症
周期的に生じる鈍い痛み、発熱、黄疸が主な症状で、肥満の方や女性に多いとされます。
急性胆嚢炎・胆管炎
胆汁のうっ滞に細菌感染症が加わり発症します。
胆石を伴うことが多く、意識障害やショックなどに至り重篤化することもあります!
尿管結石
うずくまるような激しい痛みが20〜60分間持続し、結石の場所によって背中から脇腹にかけて痛みが生じます。
急性膀胱炎
女性に多い疾患です。
頻尿(尿の回数が増える)、尿が濁る、排尿痛(尿が出るときの痛み)、残尿感(尿がまだ残っている感覚)のほか、腹部の不快感・下腹部痛を伴うことがあります。
婦人科疾患(子宮内膜炎、卵管炎、卵巣炎など)
うずくような下腹部の痛みに加え、発熱、性交痛、不正性器出血、帯下の増加が認められます。
うつ病や神経症性障害など
腹痛、下痢、食欲不振といった全身の不調も生じます。
こんな病気からの腹痛は危険!!
上に挙げた病気からくる腹痛は、比較的よくある病気ですが、急性胆管炎以外や消化性潰瘍以外緊急性はあまり高くありません。
しかし、以下のような病気からくる腹痛は一刻を争うので、それらが疑われる場合には、急いで内科へ受診・相談ください。
急性虫垂炎
いわゆる「盲腸(炎)」です。虫垂(盲腸)と言われる、小腸と大腸の境目にある小さな袋のように出ている腸の部分に、何らかの原因で炎症が発生する病気です。
右下腹部が痛くなることが多いのと、歩いたりすると響くなどの「腹膜刺激症状」が特徴的と言われますが、初期だとそれらがはっきりしないことが多いです。
胃腸炎との見分け方で一番特徴的なのは、消化器症状と言われる3つ症状「腹痛・下痢・吐き気」の中で、胃腸炎の場合、多くは吐き気が先に出現します。
一方で、虫垂炎の場合、痛みが先に出ることが多く、痛みが先に出た場合には、胃腸炎ではない可能性が非常に高くなります。
区別がはっきりしないこともあると思いますが、明らかに痛みから症状が出てきた場合には胃腸炎ではない可能性がグッと高まるので、急いでご相談ください。
急性膵炎、腸閉塞、消化管穿孔、腹膜炎
こちらはすごく激烈な症状が出るお腹の病気です。
それぞれ特徴はあるのですが、共通する特徴として症状がめちゃくちゃ激烈です!
悶絶するような痛みで、とても普通ではいられません。
なので、ほぼ確実に救急車を呼ぶような事態になると思います。
心筋梗塞、狭心症、腹部大動脈瘤破裂、大動脈解離
今までは主にお腹が原因での危険な腹痛でしたが、こちらは心臓が原因による腹痛です。
心臓の病気でよくある症状は「胸痛(胸の痛み)」ですが、実は「腹痛」を訴える患者さんも少なくありません。
アメリカ心臓学会の機関誌に掲載された調査によると、女性の患者さんは胸痛のほか、のどの違和感や不快感、背中の痛み、動悸の訴えが多いという結果が報告されています。
その調査によりますと、男女とも9割近くは胸痛や胸の圧迫感、首を絞められるような苦しさなど典型的な症状を自覚していました。
その一方で、女性はのどや首、背中(肩甲骨回り)の違和感や痛み、動悸や息切れ、消化不良に似た症状をより感じていたことが示されていて、しかも、入院前に「不快な症状」を訴え病院を受診した女性の半数が、「心臓とは関係ない」と診断されていたのです。
日本の循環器病に関する診療ガイドラインでも、心筋梗塞に関し「女性はむしろ顎やのどの痛み、腹痛、吐き気や嘔吐、食欲不振、背部痛、肩の痛み等の非典型的な症状を訴えることが多い」と明記されています。
今ここでは「女性」と挙げましたが、頻度的に女性が多いというだけで、男性でも心臓の病気から消化器症状が出ないわけではないのでご注意ください!
また、「女性」という要因以外に心臓が原因なのだけれども、消化器症状が出やすくなる要因は、糖尿病・高齢・自律神経障害、などです。
心筋梗塞はいつ襲ってくるかわかりません。
高血圧、高血糖、脂質異常+ストレスフルな生活を送っている方は、男性女性を問わず非典型的な症状にも気を配っていきましょう。
子宮外妊娠破裂、糖尿病性ケトアシドーシスなど
救急車の手配を含む緊急対応が必要です。
激しい腹痛が続く、腹痛が徐々に強くなる、お腹が膨張したり硬直したりする、冷や汗が出る、顔面が蒼白になる、意識が朦朧とする、という場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
お腹の「どこ」が痛いのか?はとっても重要な情報です!
受診するときに、
お医者さんに伝えていただきたいポイント!
「どこが痛いのか」
上の図を参考に、どこが痛むのか。
「どんなふうに痛むのか」
鈍い痛み、刺すような痛み、響くような痛み、チクチクした痛みなど。
疾患や重症度によって激痛から鈍痛まで様々です。
「どれくらいの間隔で痛むのか」
常にずっと痛いのか、痛くなったり止んだりを繰り返すのか。
「いつから痛みが出たか、痛みは強くなってきているか」
急な激痛か、数時間~数日で痛みが強くなってきたのか、数週間~数か月かけて徐々に痛みが強くなってきたか。
あるいは同程度の痛みが慢性的にずっと続いているのか。
「痛みのきっかけとなった原因はありそうか」
飲酒、飲み薬、心理的ストレスなど。
「これをすると、痛みが和らぐ・強くなるものがあるか」
排便・おならで痛みが和らぐ、脂肪の多いものや甘いものを食べると悪化する、月経時に痛みが出現するなど。
「他に気になる症状があるか」
発熱、気持ちが悪い、黄疸(白眼や肌が黄ばんでくる)、便秘・下痢、便や尿に血が混ざる、月経時以外の出血など。
「いままでにかかった病気について」
既往歴はとても重要な情報です。
悩んだらまずはご相談を!
このように腹痛は、原因臓器や疾患が多岐にわたり、内科の医者でもなかなか一発で正しい診断に辿り着かないことも多いです。
「時間を味方にする」ということは診断の上ではとても重要なことだったりするので、お医者さんの「様子を見ましょう」というのは、決して闇雲に先延ばししている行為ではありません。
そして早めの受診はその発言に繋がりやすいですが、早めの症状から経時的に患者さまの症状の経過を見られると、正しい診断により早く到達することが可能になります。
ぜひお一人で悩まずに、つくば市のB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックまでお気軽にご相談くださいね!
つくば市のB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックでは、医師をはじめスタッフ全員のチームプレーで、みなさまの健康をお守りいたします。
研究学園からもお車でご来院できますので、ちょっとした身体の不調や、受診してよいか悩むような場合でもお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
小野間 優介(おのま ゆうすけ)
B-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニック 院長
- 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医取得
- 日本医師会認定産業医
- 茨城県難病指定医
- 身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)
--プロフィール--
2022年7月に茨城県つくば市にB-Leafメディカル内科・リハビリテーションクリニックを開業し、
『お身体の不調で困った時にとりあえず相談できるクリニック』
『生活期に改善を目指したリハビリを行えるクリニック』
『Web問診・オンライン予約・オンライン診療などを取り入れ、高齢者だけでなく働く世代もアクセスしやすいクリニック』
この3つの特徴で、皆様の健康を守り、『夢あふれる未来』を創り上げるお手伝いをしていきます。
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