前回(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)① 概論と症状)は、新型コロナウイルス感染症の大まかな話と症状などに関してお話をしました。
今回は、検査に関してお話していきたいと思います。
新型コロナの検査には3つあります
新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、2021年5月現在、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査の3種類があります。
どれも検査を受けた人の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査です。
検査手法(検体の取り方)は最初、インフルエンザの検査と同様の鼻咽頭ぬぐい液だけだったのですが、新しい検査手法が開発され、現在は検査の種類や状況によって変わりますが、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっています。
まとめると下記の図のようになります。
なお、抗原検査と似たようなものに、「抗体」検査というのがありますが、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。
参考:厚生労働省(2021年4月時点)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識より
検査の精度について
また、検査精度はそれぞれ異なり、やはりPCR検査が一番高いです。
感度と特異度という指標を用いるのですが、色々な報告をまとめると、PCR検査の感度は大体70%程度、特異度が99%と言われています。
抗原(定量)検査に関しては、PCR検査と比較した場合にそれぞれ90%程度、つまり1割ほどそれぞれ感度や特異度といった性能が劣ると言われています。
感度、特異度とは
感度や特異度は耳慣れないことばだと思いますし、これを説明しようとすると2時間くらいはゆうにかかってしまうような内容ですが、非常にかんたんにお話すると、
- 「感度が高ければ高いほど、検査で陰性となった時に、その陰性を信じていい」
- 「特異度が高ければ高いほど、検査で陽性となった時に、その陽性を信じていい」
という話になります。
これを前提にPCR検査の感度と特異度を見直すと、感度が70%なので、陰性の結果は信用しきれない部分がある(=つまり、感染している可能性がそれなりにある)けど、特異度が99%なので、陽性と出たらほぼ間違いなく感染してると考えてよい、という事になりますね。
感染していない事の証明(陰性証明)は難しい
もちろん、難しい話をすると、「検査前確率(=母集団として、感染している可能性が高い人があつまっているかどうか)」によっても大きく変わってくるので、一概に上記の通りとは言えないのですが、だからこそ、感染の否定目的で検査は出来ないですよ、と多くの医師が言うのですね。
なので、感染していない事の証明(陰性証明)はできないので、それを謳ったクリニックやDrにはちょっと注意した方がいいと思います。
感度や特異度などに関しては、別のところで詳しくお話しますね。興味がある方は、気合いを入れて読んでみてくださいね笑。
今回のまとめ
まとめると、
- コロナウイルス感染症を調べる検査は、3種類ある。
- PCR法、抗原定量検査、抗原定性検査の3種類である。
- 検体の取り方は、以前は鼻咽頭(鼻の奥)ぬぐい液だけだったが、今は鼻腔(鼻の穴の手前側)ぬぐい液だったり、唾液も状況によっては使える。
- PCR検査が一番、検査精度が高い。
- 一番検査精度が高いPCR検査でも、「陰性だから感染してない」とはなかなか言い切れない。
逆に、PCR検査で陽性だったら、ほぼ感染しているとみて間違いがないと言える。 - 非感染証明(陰性証明)はできないと考えてください。
でした。
検査に関しては、実はもう少し詳しくお話が出来ます。
それに関しては別のところでお話しますので、詳しく知りたい方はそちらも是非読んでくださいね。
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